第16話 ついに原発を越えた太陽光
昨(2017)年、ついに太陽光発電が原発を越えたことは、先月号の10大ニュースで取り上げたが、確認できる最初のデータが公表されたので、あらためて紹介する。
世界中で急拡大する自然エネルギー市場の中で、これまで主力だった水力発電や風力発電を追い抜く勢いで、太陽光発電の普及が加速度的に進んでいる。BNEF(Bloomberg New Energy Finance)の速報データ[1]に依れば、太陽光発電の昨(2017)年の年間導入量は、世界全体で30%増・過去最大となる約1億kW(98GW)に達した。
累積導入量で見ると、太陽光発電は10年前(2007年)にはわずか900万kW(9GW)から、2017年末には4億kW(402GW)と40倍以上に拡大し、ついに太陽光発電が原子力発電(392GW)を追い抜いた (図)。
風力発電は、昨(2017)年、前年とほぼ同じ約5300万kW拡大した。風力発電の累積導入量は、すでに2015年に原子力発電を超え、2017年末には5.4億kW(540GW)に達した。
風力発電の成長率はほぼ直線的に落ち着いたようだが、太陽光発電の加速度的(指数関数的)な成長はなお力強く進んでいる。これからの10年、太陽光発電はエネルギー分野のゲームチェンジャーになることが見えてきた。
[1] BNEF “State of Clean Energy Investment” https://about.bnef.com/clean-energy-investment/